陸との思い出が映画のように、ワンシーンごと頭の中で繰り返し流れる。



初めて会ったあの朝の笑顔。


頭をよしよししてくれたこと。


トイレまで追いかけてきてくれた時の腕の温かさ。


保健室でのおでこのキス。



お父さんの代わりに胸を貸してくれたあの夜。




全部全部私の宝物だよ。




忘れるなんてできない。



あんなにキラキラした毎日。



「お父さん、やっぱり好き…私、どうしたらいい??」




その時、優しく風が私の頬に触れた。



『大丈夫』




声が…聞こえた。



お父さんがそう言ってくれたような気がした。