次の朝、レナはチョーハイテンションで駆け寄ってきた。



「まこたん!見て!!写メゲット!!しかも、髪の毛くくってるバージョン!」



レナの携帯の待ち受けの陸は、赤のジャージ姿に眠そうな顔、髪の毛をゴムでくくっていた。



初めて見るそんな陸にまたキュンとした。



その写メちょうだいって言いたくなるくらいにかわいかった。




「昨日はね、姪っ子のかえでちゃんが来てたんだ。すんごいかわいいの。何回か会った事あるんだけど、私になついてくれて、レナちゃんって呼んでくれるの~!!チョーかわいいよ。神崎もメロメロでさ。」



泣きそうになった。



目の前に、グレーのスプレー吹きかけられたようだった。一瞬にして、世界が暗くなった。



かえでちゃんのこと、みんな知ってるんだ。



2人の秘密だと勝手に思っていた。



かえでちゃんと遊んだんだ。



うらやましいよ。

私、まだ会った事もないよ…




陸のメロメロなとこも私は見ていない。






陸はレナのことどう思ってるんだろう。



レナとなら、同じ高校生同士、楽しく気楽に付き合えるよね。


私はやっぱり無理なんだ。

実習生としてこのクラスに来た私に優しくするのは特別なことじゃなかったんだ。