「まこたん、今日も陸ん家行くけど行かない?」
放課後、龍之介が誘ってくれた。
「実はさ、内緒だけど陸に頼まれたんだよね。まこたん連れてきてって。」
龍之介はきょろきょろと周りを見て、誰もいないことを確認してから言った。
「え??うそ!!」
小声で話す龍之介につられて私も小声になる。
「まこたんのおかげで停学で済んだじゃん?お礼言いたいって言ってたよ。」
頭の中が猛スピードで回転していた。
行くか行かないか必死で考える私。
レナの言ってたジャージ姿、すごく見たい。
でも、陸の部屋なんて見ちゃったら、ますます好きになるよ。
「ごめん。やっぱり今は行けない。お礼なんていいよって言っておいて。私の方こそ私をかばったせいでごめんねって言っておいて…」
まだぐらぐらする決心。
断りながらも、行きたいと思う自分がまた顔を出そうとする。