今日も屋上から見える空は私たちを癒す。
今日は曇り空が嬉しかった。
今の私はこの空がいい。
眩しい日差しや、きれいな青い空を見る元気がない。
「私、あきらめようと思う。」
お母さんの作ってくれたお弁当の梅干しを口へ運ぶ。
「え~!!どして??噂になってるから?」
驚いた表情で、私に詰め寄る涼子。
こうして、屋上でお弁当食べる日々ももうあと少し。
「クラスにレナって子がいるんだけど、神崎陸のこと好きみたいなんだ。いろいろ相談とかしてきてくれる。私の事信じ切ってる目を見てると…このままでいいのかなって思う。」
梅干しの酸っぱさが胸まで届いたのか、胸が痛い。
「気持ちはわかるよ。でも、まこも人間なんだよ。教師目指してるからって、神様みたいにならなくたっていいよ。あんなに好きだったじゃん。あきらめられる?」
涼子が私の肩に肩をぶつけた。
確かに、あきらめられる自信…ない。