「まこたん、あんな噂、気にしなくていいよ!」


レナが優しく声をかけてくれた。


ごめんね、レナ。


私、噂の全部が嘘だって言えないよ。



だって事実も含まれているから。

本当に陸のこと好きになっちゃってるんだもん。


レナも陸を好きなんだね。

それに気付いていても、私の気持ちもどうすることもできない。



「今日、神崎ん家…様子見にいくけど一緒に行かない?」


私を信じてくれてるレナの目を、真っ直ぐ見ることができなかった。



「ごめんね、私は、やめとく。よろしく言っといて。」




本当は会いたくて仕方ない。

どうしているのか、元気でいるのか気になるよ。



元気にしてる?

陸。


ちゃんと笑えてる?



3日間、すごく寂しいよ。



3週間のうちの3日ってすごく大きいよ。


レナと龍之介と何人かの生徒が、放課後急いで陸の家へと向かった。



その夜は、陸の様子が気になって、気になってなかなか眠れなかった。

あの2人きりの帰り道、私に微笑んでくれた優しい陸。


人の痛みのわかる陸。


陸… 私をかばってくれたせいで、こんなことになってごめんね。