噂は永遠に続くのではないかと思うくらいだった。
廊下を歩くことすら、彼女には耐えられない苦痛だった。
私は常に彼女と共に行動していたので、彼女の気持ちが痛いほどよくわかった。
噂話をする人も、彼女を指差す人も、きっと軽い気持ちなんだと思う。
でも、それを受ける人にとっては…ものすごく重く、苦しく、一生の傷になる。
しかし、噂は、1ヶ月も続かなかった。
新しい噂が出れば、古い噂は色あせる。
でも、傷ついた心は一生消えないんだ。
陸の事件も、私がいなくなる頃にはみんな忘れているのだろう。
毎日毎日どこかで小さな事件があるから。
どこかのクラスで噂は生まれる。
誰と誰が別れたとか、誰かが浮気したとか…
新しいものへとみんなの興味は移っていく。