噂の恐ろしさは十分わかっているつもりだ。
でも、噂には必ず終わりが来ることも知っている。
高校の時、親友が妊娠したんだ。
相手の男は同じ高校の男子。
俺の子じゃない、と現実から逃げて、親友は…結局一人で子供をおろした。
その噂は一日で学校中に広まった。
本人の気持ちなんか無視して、尾ひれがついた噂が一人歩きした。
「弁解しても、言い訳しても無駄だよ。だれも信じてくれない。それに、私が赤ちゃんにしたことに比べたら、みんなに白い目でみられるくらいどうってことない。」
親友のその言葉と涙は今も忘れない。
そして、その現実を見ようとしなかった幼い父親。
興味半分でHして、知識もなく、妊娠させてしまった。
その責任を何も取ろうとせずただ、その事実から目を背け続けた。