その日、校長室に呼ばれた陸は2時間戻ってこなかった。
出てきた陸の顔は、少しはれていた。
「あいつに2発も殴られたよ。」
そう言って笑った陸。
悲しい目をしていた。
城山は校長室へ入る前に陸のことを殴った。
「俺、どうなるんだろ…誰も俺の話なんか聞いてくれねぇ。」
陸の髪は殴られたせいで分け目が変わっていた。
校長室に入った陸は何も言い訳もせずに、謝り続けた。
「仕方ねぇか…」
陸がそう言って龍之介の肩に手を置いた。
龍之介は、陸の目をじっと見つめてゆっくりと頷いた。
龍之介が扉を蹴り、教室を飛び出した。
その後をクラスのみんなが追いかけた。