さっきまで気を失っていたせいで、体も心も反応が鈍い。 今、私…すごい状況の中にいる。 まだ現実を受け入れられずにいる。 「え?」 きょろきょろして、辺りを見回す私に陸が不思議顔。 「あれれ?やっぱ、頭打っておかしくなっちゃったか?」 私の頭にもう一度手を乗せる。 「今…私に、何かした?」 陸の瞳の奥まで透き通っているようだった。 その瞳をじっと見つめた。 「はははは!!なんもしてねーよ。」