「おっと………咲ちゃん??」
顔をあげると…早川くんのお兄さんがいた。

「………あ……」

「どうしたの?なんで泣いてるの?」

「えっ…泣いてなんかっ…」
そういった私にお兄さんは
自分の手をそっと頬に当てた。
「泣いてる…だろ?」

「ほ……んとだ……っっ……」

「あ、俺の部屋…行こっか…」
そういってくれたお兄さん。
私はこくっ とうなずいた。

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「それで…原因は…侑か…」

「はいっ……」

「咲ちゃん…俺の前では泣いていいから」
っ………
なんて優しいお兄さんだろ……
「っ……ごめっ…なさぃっ…ひっく」
私は泣いてしまった。

早川くんのお兄さんはただ私を
抱きしめてくれていた。

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どれだけ、時間が経ったんだろ?
しばらく泣いてたからな……
けど…なんで泣いちゃったんだろ…
怖かった………怖かったんだよね 

自分に言う。
けど早川くんはアイツじゃない。

「咲ちゃん…大丈夫???」
頭上から声をかけられて
我に返った。
そぅだっ…
私…抱きしめられたままだったっ…
かぁぁあっ//////////////
途端に顔が熱くなる。

「あ…ごめんなさぃっ…もう大丈夫ですっ」
そういって笑顔を見せた。

って、笑顔になったかな???
なれてるとうれしぃな……………
そう思って顔を見ようとして
上目遣いになってしまった。

「………///////// 咲ちゃん…自分の部屋
戻ったほうがいいんじゃない?」
あっ…そうだった…

「はいっ…ありがとうございましたっ」
と満面の笑みで言った。

バタンッ

「本当に…好きになっちまうじゃねーか…」
そうお兄さんがつぶやいたのも
聞こえてなかった。