■終わり無き関係
○Side奈穂
【俺が逃がすから】
そう言った真中くんの横顔は凜として、強く見えた
ああ…
やっぱり私はこの人が好きだ…
『奈穂は何飲む?』
帰り道、彼は歩きながら言う
『あ… オレンジ…』
『オレンジはさっき俺が少し飲んだけど… いい?』
そう言って差し出されたジュースは4分の1が減った物
『じゃ、じゃあいいです!』
図々しい事を言ってしまったと、恥ずかしくなり焦って首を振った
その様子が可笑しかったのか真中くんは苦笑し、その後で私の頬に軽く口付ける
そのたった一瞬の出来事で顔は熱くなり、心臓は痛いくらいに脈打った
痛みや苦しみ…
そして喜び悲しみ…
貴方といると、私の心は沢山の事を学んでいく
《〜♪〜♪》
と突然、ポケットの中で携帯が静かな音楽を鳴らした
急いで携帯を開き画面を見る
するとディスプレイには弟の名が…
『今日の7時? 大丈夫だよ!』
内容は今晩、家族で外食をするという話
こうして約束をし、出かける事がうちには多々ある
しばらくして電話を切った後、真中くんが携帯を閉じた私の手を掴んだ
『あの…』
『…7時に出かけるの?』
『あ、はい 家族と』
笑顔で答えた私に対し彼は素っ気なく「あっそ」と返す
それが妙だと感じ顔を覗き込むと突然、強く抱きしめられた
『まッ 真中くん?!』
ギリギリと締め付ける腕から逃れようともがく
そんな私をよそに、真中くんは首筋にチュウ…と軽く吸い付いた
『な…何なんですか?!』
ようやく解放されたけど…
意味わかんない…ッ
『別に… さ、帰るか』
『…はい…』
不思議…
私達の関係を世間一般では何て呼ぶんだろう
恋人でも友達でもない
始まりもなければ終わりは…?
終わりはどうなるの…?
『…なければいいな…』
『うん? 何か言った?』
『な、何もないです!』
自分の想いが口に出ていた事に驚き、そして恥ずかしくなった
終わりがなければいい
本気でそう思うなんて…
○Side奈穂
【俺が逃がすから】
そう言った真中くんの横顔は凜として、強く見えた
ああ…
やっぱり私はこの人が好きだ…
『奈穂は何飲む?』
帰り道、彼は歩きながら言う
『あ… オレンジ…』
『オレンジはさっき俺が少し飲んだけど… いい?』
そう言って差し出されたジュースは4分の1が減った物
『じゃ、じゃあいいです!』
図々しい事を言ってしまったと、恥ずかしくなり焦って首を振った
その様子が可笑しかったのか真中くんは苦笑し、その後で私の頬に軽く口付ける
そのたった一瞬の出来事で顔は熱くなり、心臓は痛いくらいに脈打った
痛みや苦しみ…
そして喜び悲しみ…
貴方といると、私の心は沢山の事を学んでいく
《〜♪〜♪》
と突然、ポケットの中で携帯が静かな音楽を鳴らした
急いで携帯を開き画面を見る
するとディスプレイには弟の名が…
『今日の7時? 大丈夫だよ!』
内容は今晩、家族で外食をするという話
こうして約束をし、出かける事がうちには多々ある
しばらくして電話を切った後、真中くんが携帯を閉じた私の手を掴んだ
『あの…』
『…7時に出かけるの?』
『あ、はい 家族と』
笑顔で答えた私に対し彼は素っ気なく「あっそ」と返す
それが妙だと感じ顔を覗き込むと突然、強く抱きしめられた
『まッ 真中くん?!』
ギリギリと締め付ける腕から逃れようともがく
そんな私をよそに、真中くんは首筋にチュウ…と軽く吸い付いた
『な…何なんですか?!』
ようやく解放されたけど…
意味わかんない…ッ
『別に… さ、帰るか』
『…はい…』
不思議…
私達の関係を世間一般では何て呼ぶんだろう
恋人でも友達でもない
始まりもなければ終わりは…?
終わりはどうなるの…?
『…なければいいな…』
『うん? 何か言った?』
『な、何もないです!』
自分の想いが口に出ていた事に驚き、そして恥ずかしくなった
終わりがなければいい
本気でそう思うなんて…