■行方不明
○Side 奈穂
愛しい人…
ずっと傍にいて…?
もう離れたりしないで…?
貴方に恋をしてからそれが1番の願い事になった
『ん…洋…』
朝、目を覚ますと隣にいるはずの洋がいなかった
『洋っ?!』
トイレやバスルーム
キッチンや玄関
どこにも洋の姿はない
『洋ッ…何で…?!』
ボロボロと溢れ出る涙で視界がぼやける中、机に置かれたままの携帯が目に入る
もしかして和之くんの所かも…
意を決して和之くんの番号を捜し、ダイヤルした
《もしもしぃ… 今、何時だと思ってんの…》
しばらくして聞こえたのは不機嫌そうな和之くんの声
『ごめんなさい… 洋、そこにいます?』
《え? 相模?》
私は和之くんに事情を説明し、心当たりを聞いた
しかし思い当たる所なんて1つも浮かばなかった
でもジッとしていたって仕方ない
急いで身なりを整え、アパートを飛び出す
まだ太陽も昇りきらない空は灰色で少し寒々と感じた
もしかしたら喉が渇いたのかも…
そう思い、近所のコンビニを全て見た
それでも目撃者も見つからない…
『…洋…ッ』
どこに行っちゃったの?
何ですぐにいなくなるの?
傍にいてくれるだけで私は満足なのに…ッ
ボロボロと零れる涙がアスファルトの色を変える
『……お…母さん…?』
ふと頭の中にある人物が浮かぶ
でもそれは失われた6年間の記憶の中にある人物…
今の洋にとっては他人も同然
でも…
【お嬢様みたいだな、いつも】
もしも記憶が少しずつ戻ってきていたなら…
お母さんに会いにいったかも知れない…
私は最後の望みをかけ、駅に向かった
○Side 奈穂
愛しい人…
ずっと傍にいて…?
もう離れたりしないで…?
貴方に恋をしてからそれが1番の願い事になった
『ん…洋…』
朝、目を覚ますと隣にいるはずの洋がいなかった
『洋っ?!』
トイレやバスルーム
キッチンや玄関
どこにも洋の姿はない
『洋ッ…何で…?!』
ボロボロと溢れ出る涙で視界がぼやける中、机に置かれたままの携帯が目に入る
もしかして和之くんの所かも…
意を決して和之くんの番号を捜し、ダイヤルした
《もしもしぃ… 今、何時だと思ってんの…》
しばらくして聞こえたのは不機嫌そうな和之くんの声
『ごめんなさい… 洋、そこにいます?』
《え? 相模?》
私は和之くんに事情を説明し、心当たりを聞いた
しかし思い当たる所なんて1つも浮かばなかった
でもジッとしていたって仕方ない
急いで身なりを整え、アパートを飛び出す
まだ太陽も昇りきらない空は灰色で少し寒々と感じた
もしかしたら喉が渇いたのかも…
そう思い、近所のコンビニを全て見た
それでも目撃者も見つからない…
『…洋…ッ』
どこに行っちゃったの?
何ですぐにいなくなるの?
傍にいてくれるだけで私は満足なのに…ッ
ボロボロと零れる涙がアスファルトの色を変える
『……お…母さん…?』
ふと頭の中にある人物が浮かぶ
でもそれは失われた6年間の記憶の中にある人物…
今の洋にとっては他人も同然
でも…
【お嬢様みたいだな、いつも】
もしも記憶が少しずつ戻ってきていたなら…
お母さんに会いにいったかも知れない…
私は最後の望みをかけ、駅に向かった