「あれ!?長谷川?」


どこかから私の名前を呼ぶ声がした。

まぁ長谷川という名前の人なんてたくさんいる。私に話しかけてくる人なんているわけがない…。

そう思っていたら―



「長谷川遥香だろ!?」



えっ!?

正直びっくりした。

はっきりと苗字だけじゃなくフルネームで呼ばれれば私のことだってことくらいわかる。


この帰宅ラッシュの人ごみで同じ名前の人がいないなんて思わない。

けど同じ場所にフルネーム同じな人が居合わせることなんてめったにないことくらい誰でもわかる。


私は声がしたと思われる方へと振り返った。



そこにはどこかで見たであろう高校生くらいの男の子があきらか私を見て立っていた。




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