『…………麻衣?』 名前を呼ぶと弾かれたように、俯いていた顔をあげた。 「…………俊ちゃん」 俺の名前を呼ぶその声は弱々しくて、少し震えてる気がした。 『なにやってんだよ!?』 こんなに暗くなるまで。外は凍えるほど寒いのに。手袋も、マフラーも着けないで。 思わず怒鳴ってしまった。お前の肩がビクッとするのがわかった。怯えたような顔をして「……だって」と呟いた。 .