「聖は怖かないよ。」

言われた言葉に、私も先輩も立ち止まる。

後ろから差す光で、前に影が出来ていた。


「あれはどこにでもいるガキと同じ。自分の世界しか持っていなくて、それ以外が入ってくるのに酷く抗って否定したがる。まぁ…確かに強いっていえば強いけど。」

「よく分かってます。」

「でしょ。君が勇気を出せば、聖なんて平気で吹っ飛ぶよ、多分。」


そこは多分、なんですね。

聖に対して積もり積もったこのむかつきとか憎しみとかを晴らす。

私は聖に勝たないといけない気がする。