考える間も無く、照大は出てきて帰り際に職員室に寄って鍵を返す。


「自転車は?」

靴箱の所で脱ぎ捨てたローファーを履いているところで照大が聞く。

「あ、入り口に放置してた!」

「鍵は?」

「してない。盗られてないかな?」

あわあわと慌てた私に少し笑う。

急いで校門の前に行くとちゃんと自転車があった。

ホッとして、自転車を押していく。

「良かった。」

「桜嘉。」

「ん?」


「俺、大会出場取り消しになった。」