屋敷に戻っても、「お帰りなさい」と言う声が聞こえない。
「あ…そっか。」
今日、東仲さんは用事があるから居ないんだっけ…。
「なんだ、お前か。」
聞こえた方向を見ると、聖が壁に寄りかかりながらこちらを向いていた。
「ただいま。」
「あぁ。」
「誰か待ってたの?東仲さん?」
靴を揃えて家に上がる。
「別に。」
「ふーん…東仲さんから夕飯のこと聞いてない?」
「全く。」
それだけ返すと聖は着物をズルズルと引き摺って自分の部屋へと戻る。
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