私が傘を受け取ると、静綺は聖の部屋にスルリと入った。

猫みたい。

唇を尖らせつつ、玄関へ行って引き戸を開けるとパラパラと小雨が。


「照大…待ってるかな。」


走って帰ってきてしまいそうだ。

そう考えて、早歩きで学校に向かう。

頭の良い学校というのはその学校の制服を着てるだけで頭が良さそうに見える。

…ある意味怖い。

何度か来たことはあるけどやっぱり慣れない。