膝小僧は痛々しいくらいに赤い血がついていて、保健室に向かった。 午後の授業はもう終わりだから、あとはHRだけ。 担任の先生にも言ってきたから大丈夫だよね、とサボる気満々。 「ふざけてんなよ。」 低い声が聞こえた。 ピタリと、扉にかけた手が止まる。 照大の声。 「いつかはやることだったろ。」 「日常破壊しといて、飄々としてんなよ。」 静綺の声。 ガラッと扉を開けた。