怖い。

怖い、怖い、怖い─。


「…んだよ、騒がしい。」


眉を顰めつつ動いた唇。

「馬鹿聖!こんなとこで何やってるの!?」

「降り積もれば良い。」


目を少し開けた聖の体は、震えもせず、私も見ていない。


「僕の汚い心の上に雪が降り積もって、消してくれれば良い。
そして、みんな僕のことを忘れれば良い。」


聖、どうしたの?

何でそんな弱気なことを言うの?

何があったの?


私は今、少しだけ覗けた聖の心の闇に、飲み込まれそうだよ。