食事の席に着いて、東仲さんが言った。 「聖さんの誕生日は、何をしますか?」 聖はほうれん草の煮浸しを食べていた手をピタリと止めた。 綺麗な箸の持ち方。 「みんなで、あの風船野郎も呼んで。 月見。」 …え、月見? 明らかに季節を間違えているし、照大も首を傾げているし、静綺は笑いを堪えている。 「わかりました。じゃあお月見ですね。」 再び、東仲さんの言葉を聞いて煮浸しを食べ始める。