「そんなこと…そんなわけ無い。」

静綺が好きなのは聖だと言っていた。

思えば、聖が蔑んだり馬鹿にしたりするのを静綺は怒らない。

それが静綺の受け止め方なんじゃないの。


「夕飯ですよー。聖さんと静綺さん呼んできてください。」


私達は立ち上がる。

私は聖を、照大は静綺を各々呼んでくる。

ずるずると帯を引き摺っている聖は眠そうな顔をしていた。

…ご飯食べる前に眠いって一体…。

驚きながらそう考える。