「どうしてあなたが…人を殺したの?」


野宮静子は泣きながらすがるようにそう言った。


…雪子は何も答えなかった。


「そう…なにも言わないのね。
じゃあ最後にひとつだけ言わせてちょうだい」



静子はちらと僕をみたが、躊躇うことなくこう言った。


「江浦は、あなたに殺されて当然の男よ」