雪子は殺人を犯した。


自身の誕生日、恋人だった江浦孝介を包丁で刺し殺したのだ。


雪子はその感触を、今でも覚えていた。
3ヶ月たった今でも、毎晩、あの日の夢を見続けている。



「ゆき…こ…」

まだ息の根がある孝介を、なぜ彼女はまたも刺したのか。



雪子は動機を、一切明かすことはなかった。