1996年、12月20日。 包丁を持つ手が、わなわなと震えている。 散らかり放題のリビングの床に、無惨に落ちているバースデーケーキ。 白い生クリームに飛び散った、生々しい赤い血。 そのすぐ側で横倒れる、私の最も愛する人間が、 私が殺人を犯したことを、物語っていた。