1日の授業が全て終わり、俺は美術室に行った。
これでも美術部員だから。

人間は嘘を付いても、絵は嘘を付かないから好き、とでも言っておこう。


いつものように、美術室には静かな空間が広がってる。
部活のために美術室に来るのは俺くらいで、他は自主的に自由な場所でやってるか幽霊部員だ。

この一人の空間がたまらなく気持ちいい。
人は疲れるから苦手だ。

ふぅと体全部の力を抜くように深呼吸をすると


カタッ


いつもは誰もいるはずもない美術準備室から物音がした。

「なんだ…?」

俺は不審に思いながらも、すぐに美術準備室の扉を開けた。


…………なんで。


そこには、あの女の子がいたのだ。