1年生の入学式が終わり、私は2年になった自分のクラスを確認する。
私のクラスは...C組。
仲良しな子もいるし、担任も悪くないし、いい年になるかも。

「恋〜!うちと一緒だよ!」
私に向かって走ってきたのは、親友の高梨佐奈。
佐奈は、天然キャラなのに学校トップの秀才。内巻きの髪がかわいい。
「え〜?佐奈と一緒かよ〜」
「えーっひっどー!」
佐奈は口を尖らせる。
「冗談だよ、うちも嬉しいよ。」
「そういえば、妹の愛ちゃんは何組なの?」

私には、双子の愛という妹がいる。
みんなからは、恋と愛という名前から"恋愛双子"と呼ばれている。

「愛?確かA組だったかな。」
「E組なんだけど。」
いきなり後ろから声がして、私は跳びはねてしまった。
双子の愛だ。
「あ、愛E組なんだ...近いね!」
「そうだね、ってごまかさないでよ!」
「まぁまぁ愛ちゃん。」
佐奈に言われて、愛は少し落ち着く。
でもまだ不機嫌みたい。

「それよりさ、佐奈は彼氏とか出来たの?」
とっさに恋愛の話に傾ける。
これ以上、嫌な雰囲気は避けたいからね。
まあ自分が招いたことだけど(笑)
「うち?聞きたい?」
「「聞きたい聞きたい!!」」
双子同士でハモってしまった。
「あんたたち似てるね...。」
佐奈の呆れた声に、必死で答える。
「だって双子だもん!そ、それより聞かせてよ!」
「ま、まぁそうだね。実はね、うち...」
私たちは聴き入る。

「うち、水城先輩と付き合ってるの!」
私は固まった。
今、水城先輩って言った...?
「水城先輩?あの人気高い先輩でしょ?うちは興味ないけどね。」
「愛ちゃんは男嫌いだもんね。でもかっこいいと思わない?」
「顔はね〜」
愛と佐奈が話を盛り上げるなか、私は一人で固まっていた。
だって、水城先輩は...

「恋?どーかしたあ?」
愛に話し掛けられて、ハッとする。
「えっ?いーや、別に〜?」
佐奈は、そう、とだけ言って気にしていないが、さすがの愛は私の様子に気づいているようだ。
「あ、うちそろそろ行かなきゃ。」
そう言うと、佐奈はさっさと教室へ走って行った。

愛と二人っきりになった。
私が黙っていると、愛が話し掛けてくれた。