もしも本当に神花先輩が、
影によって連れ去られたのだとしたら。

それなら、どうすればいいと言うんだ?


いつの間にか、
安藤先輩も含め、
この場の全員、
神花先輩を探す方向でまとまっている。

心配なのは確かだから、
俺も一応その中に入っておく。


だから本当に、
何をどうする気なんだろう。

その謎は残るけど。


1人首を傾げていた時、
ガラッと音がして、
3年の学年主任の先生が入ってきた。


「お前ら、神花が心配なのは分かるが、
もう遅いから、さっさと帰りなさい。
教室に居ても、どうもならないだろ?」


怒る訳では無く、
生徒の事も心配している様子で言う。


「でも先生、神花さん、
まだ学校に居るんですよ?」


ほら、このノート。

と、1人が先生にも見せようとするも、
みんなが一度先生に視線を寄せ、
そしてまた机に戻す頃には、

不思議な事に、ノートは消えていた。

先生の表情は、
ますます心配げな物になった。


「とにかく、もう帰りなさい」


な?と念押しされ、
仕方が無さそうにみんな帰っていく。

俺も大人しく帰宅した。