……もしも、先輩じゃないなら。

それなら、誰だ?


幽霊?

そっくりさん?


どっちも、難易度が高いと思う。


そんな事を考えながら、
扉が開かれるのを待っていた。


のに、


動かない扉の外の人物は、
俺が数分前に聞きたかった言葉を発した。



「嘘なんだけどね」



……何が?!



まさか、扉を開ける事が?




嘘だろ?!


叫びたくなった瞬間、
跳び箱の一番上が持ち上げられるのが
視界の隅に映り、
思わず俺は違う意味で叫びたくなった。