でも、これを片付けない事には
いつまで経っても戻れない。


覚悟を決めて、俺は用具入れに近づいた。


……しまうには、
やっぱり背を向けなければいけない。


そして想像してしまう。


もしも、この隙間から、
少女の手が、出てきたなら……?



そうだ。


跳び箱から目をそらさずに、
片づけを済ませる事は出来ないか?


無理そうだったら、
また別の方法を考えればいい。

急いで済ませるとか、
誰かを呼んでくるとか。


……前者かな。


とりあえず、跳び箱を見つめながら
用具を片付ける事に決めた。