旧校舎の、体育倉庫。

そして目的の、用具を仕舞う場所。
その隣には、跳び箱があった。


古びて、煤けているような
あれがきっと、問題の跳び箱だろう。


先輩は、すべてを嘘にしてしまう。

なのに今回は、言ってくれなかった。


それじゃあこれは、本当の話?




……俺は、この学校に七不思議が無いと
そう知ってから、数人の友人と、
七不思議を探す会を発足していた。

それなら、こういうのは
願ってもないチャンスじゃないか!



そう思えたなら、よかった。


だけど今はどうしても、
用具を仕舞うために、
跳び箱に背中を向ける事がためらわれた。