「待ってよー…」

あっ、健にスクバ持ってもらったままだ!!

「早くしろーーーー」

なんかいばってるし…
まあ、そこはどうでもいいや。

「健、スクバ貸して??」

「ん?やだ♥」

やだ…だって??

「重いでしょ?」

「平気だから!行くよ?」

結局、健はスクバを持ったまま昇降口を出て行った。
健歩くの速いんだよ…

そう思って私は急いで健を追いかけた。

「遅い!!」

健はふてくされてこっちを見る。

「ごめんね?」

素直に謝ると健は自分の左手を差し出した。
たぶん手繋ごってことなのかな…?

そっと健の手を握り返す。
…そしたら健は優しくにっこりと笑った。

「行こ♪」

そうして歩き出した。



しばらくして健が変なことを聞いてきた。

「りんさ…帰りの会終わって話してた奴だれ…?」

帰りの会終わって…?

「あ、陸…?」

確かに少しだけ陸と話した…。
でも何でだろ…?

私は健の言った意味が分からなくて首を傾げた。

すると健は…

「元彼なのに話すの…!?」

「委員会に事でちょっとね…?」

すると健が拗ねたように聞く。

「陸と委員会ちがうじゃん!!」

まるで駄々をこねる小さい子みたい。
そんな姿も愛おしく思えた。

「資料のまとめ方を聞かれただけだよ?」

「本当にそれだけ??」

なんか可愛くて笑えてくる。

「うん、なんもないよ♪」

そこまで聞いた健は納得した様子で笑っていた。
ヤキモチ妬いてくれたのかな?

健って意外にツンデレなのかも…

そんな事を考えながら2人で話しながら帰った。