「あの防潮堤で…防げる…。」

武藤町長は、沖合の防潮堤を見つめた。

入江町は、かつてのチリ地震の際、5.5mの津波に襲われていた。
その同規模の津波に、備えた防潮堤となっていた。

「想定内だ…大丈夫だ。」

武藤町長は、町を見下ろす事のできる防災対策庁舎の屋上に向かった。
ちなみに、屋上は12mの高さにあった。