今起きている事が理解の範疇外である事は良く解ったデイルは、豹変したリーナに問い掛ける事にした。

｢君の森とはどういう事だい？｣

今攻撃を仕掛けても勝ち目は無いと判断したデイルの心理戦だったはずだが、リーナはそんな彼を見向きもせずただ一点を睨みつけていた。

｢やっと見つけたわよ魔女セイレーン。｣

デイルはリーナが睨む先を確認したら、そこには青ざめた顔をしたセリアが立っていた。
心配になったデイルは駆け寄ろうとしたが、リーナの魔法攻撃がきた為に寄ることが出来なかった。
さすがにこのままやられる訳にはいかないデイルはベルガスと２人でリーナに攻撃しようと目で合図を送った。たが、それと同時に違和感も感じた。

(あれ？共に攻撃する仲間…いたっけ？)

そう思いはしつつも、今の状況を打破するには攻撃するしかなかった。

(ガキーン！)

思ったとおり攻撃は当たらなかった。｢絶対障壁｣である。しかし、この手の魔法は持続性が無いはずと思い、たて続けて攻撃をしようとしたその時、森の奥からあり得ない声があがった。

｢デイル、その人は敵じゃない！｣

セリアの悲痛な叫びだった。