『ちょっ、行ってくるね?結。』


『はいはい、どうせいつもの事だし?』


結に断りをもらって
急ぎ足で廊下に向かう。


『はい、えっと斉藤くん。何?用って?』

斉藤くんは緊張しているようだった。


『俺、ずっとあんたの事可愛いって思っててよかったら、付き合ってほしい。』


またかぁ。

あたし断るのニガテなのに...。


『あの、あたし好きな人がいるから、斉藤くんとは...付き合えない。ごめんね..?』

『まぁ、あんたが俺なんか相手にしてくれないこと、分かってたけどな。あぁ、どんなやつがあんたを落とすんだろうな?』


そして、いじわるく笑う斉藤くん。

モテる理由が分かった気がする。


『あたしは、ある人にもうとっくに落ちてるんだ...。一目惚れだけどね??ホントにごめんね。あたしなんかを好きになってくれてありがとう。』


そうしてあたし達は
笑顔で別れた。