魅麗は、一気に吐き出す様に泣いた。
「そっかそっか、ごめん。ずっと心配してくれてたんだね!」
怜樹は、愛しくなってとっさに魅麗を抱きしめた。
魅麗は、驚いた。
怜樹に抱きしめられたのは、初めてだった。
抱きしめられたまま、大泣きした顔で目を丸くし、びっくりして体は硬直した。

怜樹は、抱きしめたことで、魅麗との距離が近くなったのを感じた。
なんだか、殻を破った気持ちになった。


すると、気持ちが大きくなって、今思っている想いを言いたくなった。
怜樹は、今なら、素直に言えると思った。
魅麗を抱きしめたまま、怜樹は、静かに呟いた。

「ずっと傍にいて…」

魅麗は、思わぬ言葉に、自分の耳を疑った。
「え、………」
「それが解決方法」
「…私?………」

怜樹は、頷く変わりに、魅麗を強く抱きしめた。

魅麗は、怜樹の想いを初めて知り、初めて感じ、もう、言葉はいらないと思った。

本当は、早くこうなる事を望んでいたと思う。
自分の気持ちをわかっている魅麗は、自分も怜樹を抱きしめたいと思い、強く抱きついた。
二人は、初めて、強く抱きしめ合った。

二人は、時間を忘れた。

どれくらいの時間が流れただろう。

考えることもなく…

時間なんて、どうでも良かった。

魅麗を離せなくなった怜樹は、そっと顔だけ離し、魅麗の顔を見つめた。
恥ずかしいかったのか、魅麗は、目を反らしうつ向いた。
その仕草がたまらなくて、
怜樹は、魅麗に口付けをした。

初めての怜樹との口付け。
優しいキスだった。

その途端、
怜樹は、自分の感情を押さえられなくなって、魅麗を押し倒してしまった。

魅麗が、シルクのベッドに沈む。
抵抗する理由はなかった。

そして、二人は、
初めて、
ひとつになった。