「魅麗、いいものを見せてあげる」
怜樹は、そう言うと、突然、部屋のカーテンを閉め始めた。魅麗は、急な怜樹の行動に、びっくりして尋ねる。
「何?急にどうしたの?」
部屋は、あっという間に真っ暗になった。
「まぁ見てて」
そう言って、怜樹は壁際に行った。
「あっ、そうだ。まずは暗いままで。天井を見て」
怜樹に言われて、魅麗は、天井を見上げた。真っ暗で何も見えない。
「?………」
「見えた?」
「え?……、何も見えないけど……」
真っ暗で、何もない真っ平な天井があるだけ。魅麗は、不思議そうに怜樹をみた。
「じゃあ、こうは?」
そう言って、怜樹は、何かスイッチを押した。すると、天井一面に薄暗い淡い灯がともった。
「見えた?」
「うん?灯が付いたのが?」
「ううん。天井に何か見える?」
「灯じゃなくて?」
「うん、じゃなくて」
「……ううん、何も」
天井一面に薄く電気がともっただけで、何も見えない。魅麗は、見上げるのを止め、怜樹を見た。怜樹は、
「魅麗、見上げて」
と、静かに言い、魅麗を促した。魅麗は、再び天井を見上げたが、相変わらず何も見えず、増々わからない。何もない真っ平な天井を、ただ見つめていた。魅麗は、しびれを切らし、怜樹に言った。
「もう、何なのー?」
怜樹のわからない行動に、魅麗は、ふくれ面になった。
「ごめん、ごめん、じゃあ、いくよ!見てて」
怜樹は、そう言うと、壁にあるスイッチを押し、ともしていた薄暗い灯を消した。すると、
「えっ、えっ!?わぁー!!!………」