怜(ユウ)は、魅麗に、満面の笑顔をした。





「もう、寝ましょうね」

魅麗は、怜(ユウ)に声をかける。

「うん」

怜(ユウ)は、すぐに魅麗に返事をして、自分のベッドに入った。

「あら、おりこうさん」

魅麗は、怜(ユウ)を褒めると、童話の絵本を手に、ベッドの傍らに座った。

「ママ~」

「ん?」

「違うおはなしをして」

「あら、この絵本は飽きちゃったの?」

魅麗は、別の本にしようと、本棚に取りにいこうとする。

「ううん、違うの」

「ん?」

魅麗は、何かわからず、目を見開いて、首を傾げた。
そして、怜(ユウ)に尋ねる。

「どのおはなしがいいの?」

「パパ」

「え…!?」

怜(ユウ)の言葉に、魅麗は、予想をしていなかったので、とても驚いた。

【いつかは、来るだろうとは思っていたけれども……こんなに早く、急だったなんて…】

魅麗は、戸惑いを隠せずにいた。

怜(ユウ)は、そんな魅麗をそよに、目を見開いて、輝かせている。

魅麗は、我が子の澄んだ瞳の輝きに、吸い込まれそうだった。