~ カラン カラン ~

「綾ちゃん、いらっしゃい。あら、今日はひとり?」

「うん」

「今日はデートしないんだ?」

「あ、修くんは、部活にいったの」

「そんなんだぁ」

お絵描きをしている怜(ユウ)が、綾に気づいて、小さな体で丁寧にお辞儀をする。

綾は、それに気づき、優しく微笑んだ。

「ユウくん、こんにちわ。丁寧なお辞儀ですねぇ」

「最近こうなの。幼稚園で習うでしょ。それで、家でも、ずっとしてるの」

「そんなんだぁ。ユウくん、いいことだね」
怜(ユウ)は、褒められて、嬉しそうにした。

魅麗は、きのこのテーブルで、何か作業をしていた。

「あっ、何してるの~?」

きのこのテーブルの上には、沢山の小物が、広げられていた。

透明な石やクリスタル、白い粘土、色とりどりなこより、極細から太いのまで太さの違う糸、カラフルで透き通った大中小サイズの様々なビーズ、……等々…

「わぁー可愛い!」

綾は、心躍る。

「魅麗さん、作ってるの?」

「うん。オリジナルの新しい商品も、どんどん置かないとね。初めは、珍しくて来てくれるかもしれないけれど、次もまた、来てほしいしね。アイデア出さなきゃね」

「そっか」

綾は、感心しながら、魅麗の手作りを、興味深々に見つめていた。