おじいちゃんは、「また来なされよ」と、再度、綾に言っていた。

日は落ちて、真っ暗な海の空に、星が瞬いていた。

「わぁ…海の夜空、初めてみる~」

綾は、空を仰いだ。

星が、水平線から、瞬いて、大空に広がっていた。

「暗くて危ないから、」

そう言って、修は、綾の手を取った。

「あ…ありがとう」

緊張しながらも、綾は、感謝した。

静かな暗海を、二人で、手をつないで歩く。

「おじいちゃん、美咲 怜樹を知ってたんだぁ」

「いや、たぶん、画家としては知らないんじゃないかな。地元だから、新しく越してきた人に気づいて話かけたんだろう」

「そうなんだ」

「うん」

「あっでも、絵描きさんって」

「絵を描いているのを見たからじゃない?」
「あぁなるほどね」




「あ!」

二人は、同時に声をあげた。