ほのかに背中を押され、私たちは結局体育教官室に行った。
そこには村上先生が一人だった。

「やっほ〜せんせ!元気??」

ほのかが声をかけると先生は気づいたようにこっちを向いた。

「お前らか。もう学校が恋しくなったのかぁ??」

先生はニヤニヤしながら近づいて来た。

「違います〜。先生が寂しがってるだろうから会いに来てあげたの!」

「寂しがってるのはお前らだろ」

「そんなわけないじゃん。」

ほのかと先生は嫌みを言い合う。
私は中にある椅子に座ると、教官室を見渡した。先生の机がいやに片づいている。

「どうしたの、先生。珍しく机きれいじゃん。」

私が聞くと先生は机の近くに座りタバコを取り出した。

「あぁ、内緒だけど俺転勤するんだよ。」



うそ…




先生が転勤なんて…





ありえないよ……………


私は目の前が暗くなった。