走り出して数十分。
私たちは地元の山の展望台に来ていた。

「で、さっきの続き聞かしてよ」

ほのかが私の顔を見て聞いてきた。ごまかすことは出来ないとわかって、私は正直に話し出した。

「一年の社会の先生って知ってる??野球部の顧問の。」

ほのかは少し考え込むと思い出したように頷いた。

「藤田清雅って名前なんだけど、結構仲良くてさ。」

「惚れちゃったんだ??」

ほのかの問いに静かに頷くと、ほのかは嬉しそうに笑った。

「美咲、やっとあいつ以外に好きな男出来たんだね!でも、また『先生』かぁ〜」

「うん…それでね、こないだつい言っちゃったんだ。『好き』って…」

ほのかは驚いた顔をすると詰め寄ってきた。

「それで、向こうはなんて??」

私はあの日のことを説明した。