図書室に向かう途中、くせで社会科準備室の前を通る。
暑いのか、扉が開いていた。
私はいつもより少し早足で前を通る。
ゆっくり歩いてしまうと、立ち止まってしまう気がしたから。

「矢野さん!」

誰かに呼ばれて立ち止まる。後ろを振り返ると染井がいた。
私は少しがっかりしながらも、染井のほうへ行く。

「なんですか??」

「ちょっと中に入ってくれる??」

「わかりました。」

染井に促されて私は社会科準備室の中に入った。