「…侑菜……」


「<逝こう。一緒に逝こう……。>」


 少女の後ろで兄が泣いていた。


「お兄ちゃん…」


 病室の温度がグッと下がる。


「<さぁ…手を取って。あなたは、心友の努めを果たさなかった。
  逝くわよ。>」


 笑って少女は、ゆっくりと愛未に同化する。 愛未の身体は、ベッドに倒れ突っ張った四肢を震えさせる。
 ガタガタとベッドが鳴る。


「あ゛――あ゛ぁう゛あぁあ゛―――!!」


 獣のような声を上げ飛び起きて愛未は、自分の舌を噛み切る。