「んー?」
不思議そうな顔をしながら、小首を傾げる生都に俺は薄ら笑いを浮かべた。
「…その小百合とかいう奴を見張れ。そして情報を集めろ。お前に“総長命令”。…雛乃に手ぇ出すとかありえねぇし」
そう言うと生都は「唯崎雛乃は2匹の龍に寵愛されて大物だぁ」とケラケラ笑った。
「情報収集終了後、守李に連絡入れろ」
「りょーかいしましたよぉ、総長様サマ」
手を振りながら去って行った生都の後ろ姿を見ながら、携帯をポケットから取り出しメモリからある人物の名前を探し出し発信ボタンを押した。
画面に表示された名前は雛乃を溺愛している、もう一匹の龍の名。
――発信 白雪壱夜――