壱夜の言葉に「“指導対象者以外の生徒に正体がバレないようにしてくださいね”だろ?」と被せた。
すると、聞こえるのは喉を鳴らして笑う壱夜。
『ククッ…よくお解かりのようで』
「つか、前髪を全部下ろして顔が半分くらい隠れてカラコンしてんだから簡単にはバレねぇよ」
『…そうですね……じゃあ、楽しい報告待ってます』
楽しげな壱夜に「あぁ、じゃあな」と一声掛け、電話を切った。
「テル、ちょっと、“生徒指導”してくるから統葉と仕事片付けられるだけやっとけ」
「レンレンの場合は“生徒指導”じゃなくて“生徒脅迫”だけど」
「はあ、めんどくせぇな。まあ、会長様の命令だから全部終わらせといてやるよ」
「頼んだ」とテルと統葉に頼み、守李の襟を持って引き摺って行く。