「“指導対象者以外の生徒に正体がバレないようにしてくださいね”だろ?」と声を被せられた。


俺は喉を鳴らして笑った。



『ククッ…よくお解かりのようで』


「つか、前髪を全部下ろして顔が半分くらい隠れてカラコンしてんだから簡単にはバレねぇよ」


『…そうですね……じゃあ、楽しい報告待ってます』



と楽しげに言って



蓮夜の返答を確認し電話を切った。






振り返り、いまだに伸びきっている臣に携帯を投げつけ屋上へと向かった。




ドアを開け忌々しいくらいに青い空を見上げた。





なぜか胸がスッとしない…嫌な感じがする。



嫌な予感が当たらなきゃいーけど。


前髪をかきあげ眼鏡を外しフェンスを背にして俺は深い眠りいついた。