仕事もひと段落し、目頭を押さえていると扉の向こうから大きな音が聞こえた。


「はぁ、何やってるんですかあなたは…」




ため息を吐きドアを開けるとその前に倒れているのは先ほど教室を出て行った臣。



「あ、お使いちゃんと逝ってきてくれたんですね。ありがとうございます」

 

「お、おん、壱夜の頼みやったらしゃーないやんけ断ったら怖い…」



臣の近くに散乱している沢山の資料の山を拾い上げてにっこりと笑って見せた。



「ほんと会長て西条君に容赦ないよね」



「ま、会長殿が優しいほうが俺的には変な感じがするけどね。」


双子がクスクス笑いながらこっちを見ていた。

「俺が優しくないって?俺はいつだって優しいですよ?」



振り向きざまに真っ黒な笑顔を浮かべると双子は思いっきり顔を背けてパソコンに視線を向けた。



「さて、西条君も来たことですし仕事、再開しましょうか」



そういってまた俺は席に着き先ほど持ってきてもらった生徒名簿を見ながらパソコンに打ち込んでいった。



「退学者14名、謹慎者10名…俺の領域(テリトリー)でなにやってんだよ」



ボソッと呟いた俺の声は隣に座っている臣にしか聞こえていなかった。