見慣れた景色になった頃新幹線を降り、


乗り慣れた電車に乗り換えた。




高弘はまだ怒っていて私と話しをしようとしない。



私達の席のまわりに人がいなくなってから高弘に話しかけた。



[高弘?怒ってる?]


『…』


[ごめんね。高弘を責めたつもりじゃないんだけど、てっきり高弘はまだ元カノのこと忘れられれないのかなって。]


[気になったから…]


[高弘あまり自分のこと話してくれないし。時々何考えてるかわからなくて]

『なんで話さなきゃいけないの?』


[え!]



『話して何か変わるの?』


『俺、自分が悩んでも誰かに話したことないし、美里にだってないよ』



『話して何か変わるとは思わないし』



『人の悩みなんて聞いてうれしいやつなんていないだろ?』



[そんなことないよ]


『そんなことあるだろ?』


『じゃあ俺が本心を言って朱莉が嫌がることだたら聞かなきゃよかったと思うだろ?』


[そりゃそうだけど]



『だろ?』


[でも自分が辛くなっても聞いてあげたいよ。]


[私が話し聞いて高弘が少しでも楽になるなら]



『高弘は人に話すのは慣れてないかもしれないけど話すだけでもスッキリするもんだよ』