「いやだよ。別れたくないよ」




「ごめん。」




「なんで?なんでなの?」




「ごめん。」




晃は多くを語らなかった。

ただ、私の問いかけに

ごめん、というだけで

答えてはくれない。




時折切なそうな目で

私を見ては逸らした。




「ごめん、ちょっと考えさせて」




そう言ってって私は

晃に背を向けた。




家まで送る、と言った

晃の手を振りほどいて

駅まで走った。